でも、乳児ボツリヌス症はどんな症状があるのでしょうか?なぜハチミツがダメなのか、まとめてみました。
乳児ボツリヌス症って?
「1歳未満の赤ちゃんにはちみつを与えてはいけない」ということは、母親なら一度は聞いたことがあると思います。でも、普段から子どもに携わることがない人にとっては、初耳ではないでしょうか?
乳児ボツリヌス症とは、1歳未満の赤ちゃんが、食品(主にハチミツ)を通してボツリヌス菌を体内に入れることで、腸管内で菌が発育・増殖し、その時に産生された毒素が腸管から吸収されて起こる感染症のことです。
主な症状
・便秘
・食欲不振
・脱力や疲労
・弱々しい泣き声
・首のすわりが悪い
・眼瞼下垂
・呼吸が遅い
乳児にハチミツがダメなのはなぜ?
ハチミツに含まれるボツリヌス菌の芽胞を摂取することにより、乳児ボツリヌス症が発症すると考えられているため、1歳未満の乳児に、ハチミツを与えてはダメなんです!
乳児は成人に比べて、腸内細菌叢が未発達であること、消化管が短いことから、成人では上部消化管で不活化されるボツリヌス菌が、乳児では腸管まで届いてしまうため、1歳未満の乳児特有の中毒と考えられています。
乳児ボツリヌス症による死亡例は全国初
今回亡くなった乳児は、生後6か月の男の子。1986年から調べ初めて、全国初の死亡例だということです。小児科ナースの私も、乳児ボツリヌス症で亡くなった子どもがいるなんて、聞いたことはありませんでした。
子を持つ母親なら、誰しも知っていると思っていただけに、本当にショックな出来事です。核家族化が進み、そんな当たり前のことを教えてくれるおばあちゃんがいなくなったこともあるのでしょうか…
それにしても、1日当たり約10グラムのハチミツを約1ヶ月間与え続けたなんて、驚きです。その間、誰かに「離乳食でハチミツを与えている」という情報を、話すことはなかったのか、誰かに気付いてもらえなかったのか、悔やまれます。
乳児ボツリヌス症 井戸水での中毒例
2006年12月、井戸水の飲用から宮城県の0歳男児に乳児ボツリヌス症が発症しました。厚生労働省によれば、飲料水による同症が確認されたのは世界で初めてとのことです。
乳児ボツリヌス症は、約20例(生後1-9ヶ月)の報告があるそうです。そのうち半数以上は、はちみつを食べて発症したケース。
患者宅の井戸水から検出されたボツリヌス菌の汚染源は特定されておらず、またどのような飲料水について、乳児ボツリヌス症の発症リスクが高いのかは、必ずしも解明されていないんだそうです。
乳児ボツリヌス症は、ハチミツだけ気を付ければいいわけではないんですね。
ネット上での反応も
・昔から母子手帳にも記載されてますね。
・はちみつの容器とかには乳児には食べさせないようにと書いてあると思うが。
・これはあかんともっともっと広報すべき案件。
・1歳未満にハチミツをあげちゃダメって常識だと思ってたけど知らない人もいるのか。 教えてあげる大人がいなかったのかな…。 あげちゃダメだからね。覚えておこうね。
・赤ちゃん育ててる方は本当に気をつけて!
・こわいこわいこわいこわい…
・蜂蜜をあまく見ちゃダメ!絶対!
・えっこれ常識では・・・?
・乳児にハチミツを与えるとかww 常識では考えられないよ? 親は何歳なんだろ?
・ハチミツの裏の説明に「1歳未満には与えないで」って書いてあるのにな……。普通読まないのか……ただただ悲しい……。
・ 今まで再三ダメだと言われてきたのに、未だに与える人がいたことに驚く。
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